今夏、一般社団法人 映画演劇文化協会の主催・製作によって、ミュージカル・コメディの傑作である「キス・ミー・ケイト」が2017年7月1日(土)埼玉県越谷市をはじめ、全国各地にて上演されます。
 ミュージカル、演劇文化の普及を目的として始まった映画演劇文化協会の“ハロー・ミュージカル!プロジェクト”全国ツアー。本ツアーでは、お手ごろな価格で全国各地へ本格ミュージカルを提供してきました。
その第一弾は2012年~2014年の「王様と私」(出演:松平健・紫吹淳・はいだしょうこ ほか)、第二弾は2015年、2016年の「南太平洋」(出演:藤原紀香・別所哲也・太川陽介 ほか)。

そして、来る第三弾の演目は“ミュージカル・コメディ「キス・ミー・ケイト」”。
本作は、シェイクスピアの喜劇『じゃじゃ馬ならし』を劇中劇に仕立て、舞台裏とを交互に見せる「バック・ステージ・ミュージカル」の傑作です。出演は、松平健・一路真輝・平方元基・水夏希・川﨑麻世・ちあきしん・杉山英司(スギちゃん)・太川陽介 ほかと豪華な顔ぶれが揃いました。

全国ツアー開幕に先駆け、キャスト陣と演出・振付の上島雪夫氏が登壇した製作発表記者会見が開催されましたので、登壇者のコメントをお届けします。
松平健さん:フレッド役/劇中劇『じゃじゃ馬ならし』ペトルーチオ役(2役)
『キス・ミー・ケイト』という作品は、歌・踊り・お芝居の三拍子がそろっていまして、私もこれらが完成したらすばらしいだろうな、と楽しみにしています。
“ハロー・ミュージカル!プロジェクト”は第1弾の『王様と私』以来2回目の参加です。普段は時代劇に出演しているので、そのイメージが強いのでは、と思いますが、ミュージカルをやっている自分を見ていただいて、歌と踊りとお芝居による楽しい世界を、初めてミュージカルを見るお客様にお伝えしたいと思います。料金もお手ごろですし、多くの方に見ていただきたいと思っていますので、我々もがんばっていいものをお見せします。
物語としては、一路さん演じるリリーと私の役の関係がおもしろいです。二人は似た者同士の元夫婦で、喧嘩ばかりしているけれど根底ではつながっているところもあり、本当のことが言えなくて勘違いしてしまう、そんな二人の愛が描かれています。私が演じるフレッドは、プロデューサー・演出家・主演をこなすスーパーマンのような役で、この舞台を成功させようと全体を見渡し奮闘する役です。
すばらしい楽曲が多いので、曲の持つメッセージも伝えたいと思っています。お気に入りの曲は「ソウ・イン・ラブ」です。

一路真輝さん:リリー役/劇中劇『じゃじゃ馬ならし』カタリーナ役(2役)
14年ぶりに『キス・ミー・ケイト』へ出演しますが、新作に臨むような心意気で台本を読ませていただきました。松平さんと初めて共演させていただけるということで、すてきな胸をお借りして、新しい作品に取り組む気持ちです。
物語としては、別れた夫婦が仕事場で再会して、新しい感情が生まれてくるのがおもしろいですよね。周囲からみると仲がいいのでは?と思われていても、当の本人たちは気づいていないんです。言葉や感情の駆け引きがある、そんな男女のかわいらしさを作品を通してお伝えしたいです。
楽曲については、松平さんと同じく「ソウ・イン・ラブ」が好きです。

平方元基さん:ビル役/劇中劇『じゃじゃ馬ならし』ルーセンショー役(2役)
ビルは、水さん演じるロイスの恋人で、博打好きなお調子者のチャラいやつ、という役なのですが、上島先生から今っぽいお兄ちゃんにならないように、といわれています。「トムでもディックでもハリーでも」という曲に僕も参加させてもらえるので楽しみです。
全国ツアーなので、それぞれの地域のおいしいものを食べて、がんばりたいと思います(笑)
この歴史的な作品に素敵な先輩方と出演できるのが非常に光栄です。ミュージカル・コメディということで、地方でも楽しいミュージカルができるよう、応援お願いします!

水夏希さん:ロイス役/劇中劇『じゃじゃ馬ならし』ビアンカ役(2役)
この作品は古き良き時代のミュージカルの王道だと思います。毎日楽しく稽古をしているのですが、中でも劇中劇ではモテ期が到来していまして(笑)それに今までにない高いキーの曲を歌いますので、高音の美声をお届けできるようにがんばります!楽曲では、こんなに美しくてしとやかな一路さんが勢いよく歌う「男なんて大嫌い」が好きです。
ロイスは、かわいさと色気で世の中を渡ってきたような役だと思います。宝塚で男役の色気は学んだのですが、女性の色気をどこまで出せるのかな……と。上島先生からコメディだけどドタバタ劇にならないように、といわれておりまして、“ピュアで、スターを夢見る、ビルを愛している女の子”を表現できればと思います。
宝塚を卒業してから、初めての全国ツアーなので、見に来ていただいたお客様が日常を忘れられるような、明日の元気が沸くようなミュージカルにしたいです。

川﨑麻世さん:ハウエル将軍役
今回、初めてこの作品に参加しますが、非常におもしろい作品です。将軍という立場で、また(一路さん演じる)リリーの現在の恋人という役どころなのですが、本読み中「芝居なの?地なの?」と演出家に言われました。もちろん芝居なのですが、地に見えるくらいリアル感が出せれば、僕としてこの役は成功かなと思います。
アメリカ陸軍の将軍でありながら、その立場を恋愛に利用してしまうほどの情熱やテンションを崩さないように、男としての情熱や強引さをちゃんと出したいです。「今からは」という歌が頭の中でずっと流れているんですが、一路さんとデュエットさせていただくということでとても楽しみです。
長年の芸能生活で47都道府県行きつくしていますが、日本が大好きで時間さえあれば国内をドライブしたり電車に乗ったりしているので、全国ツアーはとても楽しみです。地方に行けばいろいろなおいしいもの、景色がありますから、それを楽しみにがんばります。

ちあきしんさん:ハッティー役
私も14年前にアンサンブルで出演していまして、今回ハッティー役で戻ってこられてうれしいです。一路さん演じるリリーを公私共に支える役どころと、また、歌唱指導を務めていますのでコール・ポーターの名曲たちをみなさまにお届けできるようにいたします。
1948年のアメリカという設定ですから、その時代に生きていたアメリカ人に見えるようにしたいと思っています。背景を調べ、勉強しているので、あの時代のアメリカ人でいそうだなあと思ってほしいです。
この作品はバックステージものですので、劇中劇の役も合わせて2役を演じる方が多いのですが、ハッティーは裏方なんです。でも、幕開けの1曲目「またショウが始まる」という曲はハッティーが担当しているんです。ミュージカルの世界は裏方がしっかり支えて作っていく、という意味があるのではと思い、このナンバーをしっかり歌いたいと思います。
コール・ポーターの楽曲はジャズのスタンダードになっている名曲が多いですが、「Too darn hot」というフレッドの付き人のポールが歌うダンスナンバーにハッティーもスキャットなどで参加するので、こちらもお楽しみいただきたいです。

杉山英司(スギちゃん)さん:男2(ギャング)役
ついにミュージカルに出していただけるということで、大抜擢だと思います。製作の“新しいミュージカルにしよう”という心を感じます。 普段は「ワイルドだろう?」といっていますが、ギャングという役なので「悪いだろう?」という感じで……。借金の取立て屋らしい、怖い感じを出したいんですが、普段は怒ることがあまりないんです。ぶちぎれたつもりでもあんまりこわくないと言われてしまっているので、ドスをきかせたいのですが、なかなかできないので性格を変えないといけないのかな、と芝居は悩んでいます。
歌と踊りは着実にうまくなっています(笑)「パクろうシェイクスピア」という曲を歌うので、太川さん演じるギャングと一緒に、二人の意外性が出せたらいいなと思います。

太川陽介さん:男1(ギャング)役
一路さんと同じく14年ぶりの出演ですが、ほとんど忘れていました。台本を読んだら、僕の役“男1”なんです。名前がないということに初めて気づきました(笑)劇場には場違いなギャングの役で出てきます。今回は相棒がスギちゃんになったんですが、実際にはぜんぜんワイルドじゃないスギちゃんとともに、どんなギャングになるか楽しみです。
お芝居としては、14年前のものをなぞりはしないようにしています。あえて本読みでは棒読みにして、上島先生のレクチャーを受けています。でもテンションは当時と変わっていないみたいですね。
また、我々が登場したときにいかに空気を変えられるか、を考えています。場を一瞬で変えられればいいなと。「パクろうシェイクスピア」など、歌もがんばりたいです。前回の『南太平洋』で全国を回らせていただいたときに感じたのですが、各地のお客さんの拍手があったかいんです。今年もいろいろな地域の人たちに見てもらって、よろこんでもらえたらうれしいです!

上島雪夫さん:演出・振付
ハロー・ミュージカル!プロジェクト第2弾の『南太平洋』に引き続き演出・振付を担当させていただきます。
この作品はアメリカの良き時代、皆が正義と明日を信じていた時代の名作のひとつです。歌と踊りと、コメディならではの笑いが満ち溢れた作品でして、必ずおもしろいものを作っていきたいと思います。
今回演出で苦心した点としては、劇中劇であるシェイクスピアと、その劇が行われているのが1940年代であるということで、現代の日本においては「これはどういうこと?」、「どう二つのお話がリンクしているの?」と少しわかりづらいところがあります。どこの都市のどういうタイプの人が見ても、シェイクスピアと1940年代の現在軸がどうつながっているのか、それぞれのお話がわかるような、シンプルかつスピーディーなものにしたいと思っています。誰が見ても、“フレッドの劇団がアメリカの田舎に行き、その土地の人たちを楽しませている、そしてそれぞれの人間模様がおもしろい”とわかってもらえるように作っています!